アケコンレバーそのものを改造できる時代
アケコン改造といえばレバーとボタンの交換や、見た目を変えるというイメージが強いと思います。しかし、近年のアケコン情勢では、レバーそのものを改造したり、組み立てたりができるようになりました。これらは本当に近年のことなので知らない方が多いかもしれません。それまでは「○○というレバーを取り付ければ完成!」という風潮であったので、そこから先に一歩踏み出した形です。
よりプレイヤーの好みやプレイスタイルに合わせた理想のレバーが作れるのです。
どんなカスタマイズがあるのか?
※自分に合ったレバーを選ぼうの記事も併せてお読みください。
レバーのカスタマイズはベースとなる機種にもよりますが、例として以下のようなことができます。
- レバートップ(掴む部分)の大きさ、形状、素材を変更する
- レバーを倒した際の入力角度と最大傾斜角度角を変更する
- レバーを倒すための必要な力加減を変更する
順番にそれぞれ説明します。
1.レバートップ(掴む部分)の大きさ、形状、素材を変更する
1番簡単に操作感を変更する方法です。標準タイプレバーは直径35mmの球状(ボールトップ)、韓国レバーは直径30mmの棒形状(バットトップ)が基本であり、実はこの大きさはメーカーの差異が少なく、ほぼ共通のサイズとなっています。また、ネジ穴はM6規格であることが多く、互換性も保たれています。そのため、別メーカーのトップ部と交換することができます。
例えば、より大きなサイズに変更すると、手の大きな方が握りやすくなる、力を入れやすくなるなどのメリットがあります。同様にボールトップからバットトップに変更することで、握り方のスタイルも変わり操作感も変化します。
そして使用素材も実はフィーリングが大きく変わるポイントです。一般的なトップはプラスチック製ですが、さらさらとした木製に変えることで手汗による滑りを軽減することが可能となります。見た目の高級感が高まるのも○。
2.レバーを倒した際の入力角度と最大傾斜角度角を変更する
より素早いコマンド入力や、とっさのガードを行うレスポンスを高めたい方に人気のカスタマイズです。レバー内部部品のアクチュエーター、ガイド、シャフトの太さを変更(メーカーごとに変更パーツは異なります)することで、より浅い角度の傾きでも反応するようになります。レバーを動かす総距離も短くなるため、スピーディーな操作が可能です。
半面、ちょっとした力加減で意図しない入力がされてしまう場合もあるため、ユーザーによって調整幅の好みが分かれる部分でもあります。ちなみにガイドは一般的に四角形ですが、八角形や丸みを帯びた形状もあり、特定の角度に対する傾きのみ調整するという方法もあります。
3.レバーを倒すための必要な力加減を変更する
特に鉄拳プレイヤーを中心に流行している韓国レバーにおいては、倒すまでの力加減の調整も重要です。反発力が高ければレバーがニュートラルに戻るまでも早くなりますが、その分操作する左手に負担がかかってしまいます。しかし、弱すぎると韓国レバーの長所が損なわれてしまうこともあるので、バランスの落としどころを試行錯誤する方が多く見られます。
また、「2.」で記載したレバーの入力角とも関係があります。入力角度を浅くしただけでは誤入力が発生しやすくなるので、反発力も同時に高めて入力速度と確実な入力を両立させることも可能です。
代表的なカスタマイズ対応パーツの紹介
ATTASA SHOP取り扱いのアイテムのうち、カスタマイズのためのアイテムをご紹介します。なお冒頭でも述べましたが、レバーのカスタマイズは比較的新しい流行のため、すべてのレバーに対応しているものではありません。あらかじめご了承ください。
今回はベースとなるレバーを定め、最も普及している三和電子JLFレバー用のアイテムをご紹介させていただきます。
・三和電子 JLFレバー用カスタムパーツ(スプリング/ガイドチップ/P.Sパイプ)
三和電子は日本のゲームセンターで最も普及しているメーカーで、アケコンにおいてもハイエンドモデルでは標準装備されていることが多い人気メーカーです。その代表的なJLFレバーをカスタマイズする製品が、三和電子純正アイテムとして誕生しました。
サードパーティではなく自社開発の製品であるため、性能はお墨付きです。先に記載したレバーの入力角度と力加減の両方が調整できます。また、作業過程で難しい手順は極力抑えており、レバーのカスタマイズを始めるにはベストな選択肢となるでしょう。
・OTTO DIY V2
OTTO DIYは中国のカスタマイズパーツ専門メーカーで、レバーのカスタマイズ文化の火付け役ともいえる立ち位置にいます。プロゲーマーの間で評判となり、瞬く間に広まりました。
V2は三和電子 JLFレバーをベースに、韓国レバーと同様のグロメットで反発力を調整するという大胆なアイデアから生まれたキットです。ベースはあくまで標準タイプレバーであるJLFレバーですので、その良さを残しつつ韓国レバーの操作感を取り入れています。硬さのグロメットとスプリングに加え、入力角度の調整ができるパーツも含まれていますので、このキット1つで豊富なバリエーションをお楽しみただけます。
究極のカスタマイズレバー!ゴールデンレバーについて
最後にArcade Stick Indonesia社(ASI)によるレバー、ゴールデンレバーについてご紹介させていただきます。まず下記の表をご覧ください。
商品名 |
バリエーション |
効果 |
ゴールデン ベース |
ホワイト・ブラック(支柱形状違い)・ファンタ(スイッチ固定) |
スイッチの間隔とシリコンの斜め反発力を調整 |
スイッチスペーサーセット |
15mm〜17mmまで0.5mm刻み&角度変更スペーサー2種類 |
スイッチの間隔を調整 |
シリコンラバーグロメット |
30A〜65Aまで5刻み |
レバーのニュートラルに戻る強さを調整 |
ゴールデン カラー |
円、四角、八角、変則形状あわせて11種類 |
レバーを傾ける方向による操作感の調整 |
ゴールデン コア |
内径13mm〜14.5mmまで0.5mm刻み |
シリコンの張力の調整 |
ゴールデン シャフト |
7mm〜10mmまで0.5mm刻み |
レバーの最大傾斜角の調整 真鍮製 |
シルバー シャフト |
7mm〜12mmまで0.5mm刻み |
レバーの最大傾斜角の調整 ステンレス製 |
ALU シャフト |
同上 |
レバーの最大傾斜角の調整 アルミニウム製 |
ゴールデン アクチュエーター |
14mm〜17mmまで0.5mm刻み |
スイッチの入力開始角の調整 真鍮製 |
ホワイト アクチュエーター |
同上 |
スイッチの入力開始角の調整 POM製 |
ゴールデン ベアリング |
14.5mm〜16.5mmまで0.5mm刻み |
スイッチの入力開始角の調整 真鍮+ステンレス製ベアリング |
ブラック ベアリング |
15mm〜17mmまで0.5mm刻み |
スイッチの入力開始角の調整 POM+ステンレス製ベアリング |
ブッシュ リング |
POM・アルミニウム・真鍮 |
ベアリングの位置固定・素材別重さの調整 |
ゴールデン リング バットトップ |
カラー3種類&リングの素材2種類&リングの数2種類 |
レバートップの重さの調整 |
ゴールデン リング ボールトップ |
カラー3種類&リングの素材2種類 |
同上 |
ゴールデン リング ブルトップ |
カラー4種類 |
同上 |
G バットトップ |
カラー2種類&サイズ30〜35mmまで2.5mm刻み |
レバートップのサイズを調整 |
G ボールトップ |
カラー2種類&サイズ35〜40mmまで2.5mm刻み |
同上 |
なかなかのボリュームのものを記載しましたが、これらは全てゴールデンレバーのカスタムパーツ並びにカスタムできる範囲になります。
自分に合ったレバーを選ぼうの記事でゴールデンレバー ジャパニーズセットアップを記載しましたが、ASIのレバー最大の特徴はそのカスタマイズ性の高さにあります。
スイッチの間隔、シャフトの太さやベアリング径など、ほぼすべての箇所がカスタマイズでき、素材の種類も選べます。この項目の最初に記載した写真ですら、そのバリエーションのごく一部にすぎないのが驚きです。
そのセッティングは、一切の妥協なくどこまでも突き詰めていくことができる「沼」ともいわれます。レバーのカスタマイズに慣れた中上級者向きの製品ではありますが、ゴールデンレバーとそのパーツ達は必ずプレイヤーの期待に応えてくれるポテンシャルを秘めています。究極を目指す方にはぜひお試しいただきたいアイテムです。
繰り返しになりますが、レバーのカスタマイズは近年メジャーになった文化です。そのため、三和電子やセイミツ工業など各メーカーもハイペースで開発に力を入れており、この先も新たな部品がどんどん誕生していくことでしょう。
ATTASA SHOPはその多種多様なカスタマイズパーツを、皆様にお試しできる環境を整えていきます。格ゲーが楽しいのはもちろんですが、そのコントローラー自体も楽しんでいただければと思います。気になるアイテムがありましたら、お気軽にお問い合わせください。