アケコンはゲームセンター筐体がモチーフ
アケコンは元々、ゲームセンターの環境を家庭用ゲームで再現するため生まれました。
当初はそれぞれのメーカーが独自の基準でレバーとボタンの位置を決定していましたが、2000年代中頃からさらに高いレベルで環境を再現すべく、レイアウトにもこだわりがあるコントローラーがつくられ始めました。ゲームセンターの環境≒ゲームセンターの筐体(きょうたい)であるため、“○○筐体の配置を採用”という謳い文句も現れました。
現行のレイアウトは大きく二種類
2022年現在流通しているアケコンには大きく分けて二種類のレイアウトがあり、そのどちらかが採用されている場合が多いです。
1.ビュウリックス配置タイプ(Vタイプ)
例:QANBA OBSIDIAN、HORI HAYABUSA V、MADCATZ TE2など
ゲームセンターのビュウリックスという筐体に近いレイアウトを採用したタイプです。
ビュウリックスはストリートファイター4シリーズや、ブレイブルーシリーズといったアスペクト比16:9のゲーム用筐体として、それまでのブラウン管筐体を置き換えるように大きなシェアを占めるようになりました。また同時に家庭用のゲーム機もPlayStation3®やXbox360と移り変わり、アケコンにおいてもそれらの機種用にビュウリックス配置をこぞって採用しました。
特徴としては8個のメインボタンのうち一番左側のボタンが下がり、それ以外のボタンが真横に並んでいます。また、レバーとボタンの間隔が近くなっています。現在でもストリートファイターシリーズやアークシステムワークスのゲームプレイヤーに人気のレイアウトです。
2.ノアール配置タイプ(Nタイプ)
例:QANBA Pearl、HORI ファイティングスティックαなど
ゲームセンターのノアールという筐体に近いレイアウトを採用したタイプです。
こちらもアスペクト比16:9のゲーム用筐体として開発され、主に鉄拳シリーズやガンダムEXVSシリーズといったバンダイナムコのタイトルに多く採用されています。家庭用のアケコンとしてはビュウリックスモデルが中心でしたが、近年はこちらのノアール配置を採用したモデルも多く出ています。
特徴としては8個のメインボタンのうち、左から二番目のボタンを頂点とし、他のボタンは山型に下がる配置です。またレバーとボタンの間隔は広く取られています。鉄拳シリーズやガンダムEXVSシリーズのプレイヤーに人気な他、海外の自作ケースにおいても人気のレイアウトです。
どちらのレイアウトがいいの?おすすめのアケコンは?
基本的にはゲームセンターでのタイトルに合わせたレイアウトのものがおすすめですが、近年はPS5をはじめ家庭用専用や先行稼働タイトルが主流のため、好みに合わせた選択でよいでしょう。
日本では、どちらかといえばビュウリックス配置レイアウトが人気ですが、体の大きな海外プレイヤーではノアールの方が人気です。自身の体格に合わせてチョイスするのもアリかもしれません。
ATTASA SHOPでの取り扱いアケコンのうち、Obsidianはビュウリックスをベースとしたレイアウト、Pearlはノアールをベースとしたレイアウトです。QANBAにはもともとビュウリックス基準の製品しかありませんでしたが、ノアール基準の需要も高く、ユーザーの要望に応じて姉妹製品のPearlが開発されたという経緯があります。
また、Obsidianをノアールレイアウトに変更するキット、逆にPearlをビュウリックスレイアウトに変更するキットも販売しています。今お手持ちの機種を買い替えることなくレイアウトを変更することができるので、そちらのアイテムもぜひお試しいただきたいところです。
最後にアケコン完成品ではなく自作用ケースになりますが、一点紹介。Arcade Stick Indonesia社のVM6というケースは、もともと海外で流行しているノアールレイアウト(ASIではNレイアウト)の製品でした。しかし日本人ユーザーではビュウリックスの需要も高いと考え、ATTASA SHOP発のアイデアとしてビュウリックスレイアウト(Vレイアウト)モデルも制作されました。自作アケコンに興味のある方は、ぜひ選択肢に加えてほしい一品です。