アケコンの状態を確認してみよう
近年のアケコンは性能が高く、買ったそのままの状態で大会でも活躍できるポテンシャルです。
しかしながら激しい操作を行うデバイスである以上、長く使っているとどうしても操作に支障が出てくる場面が出てきてしまいます。そこで、メンテナンスの必要がある状態について頻出例を記載してみました。大きなトラブルが発生する前に、以前と比べて違和感がある箇所がないかチェックしてみましょう。
レバーについて
- 動かしたときに引っかかる感触がある。
- 特定の方向に傾けると反応しない場合がある。
ボタンについて
- 押した後なかなか戻らない、引っ掛かる感触がある。
- 押しても反応しない場合がある。
- パカパカと異音がする。
これらの症状が出ている場合は早めに対応しましょう。尚、購入した直後にこれらの症状がある場合は初期不良の可能性がありますので、機種ごとのサポート窓口に問い合わせてみてください。
メンテナンス、部品交換のやり方について
重要:基本的にメンテナンスはアケコンを分解することになりますので、メーカーの保証から外れる場合があります。予め製品の保証について確認し、了承のうえ作業を行ってください。
こちらの記事ではObsidianを例に作業の説明をします。アケコンのメーカーごとに細部は異なりますが、大まかな流れは同じです。
まずメンテナンスには工具が必要です。プラス/マイナスドライバー、ペンチやプライマー、ふき取り用のウェスなどがあると良いでしょう。またネジなどの細かい部品をなくしてしまうと組み立てができなくなるので、小物を保管する箱も用意しましょう。
レバーのメンテナンス
まず本体の裏蓋を外します。
〇で囲った場所にネジがありますので、プラスドライバーで開けます。
続いてレバーの取り外し。まずボールを取り外します。写真のようにマイナスドライバーを当てながら、ボールを回すと外れます。
〇で囲った部分のネジと端子を取り外します。これでレバーが本体から取り出せるようになります。
ここからは症状別ですが、操作で引っ掛かるような感触がある場合はグリスの劣化や細かいゴミが混入していることがありますので、該当箇所を掃除しましょう。
レバー自体の分解ですが、Eリング(Eクリップ)を外します。〇で囲った箇所にマイナスドライバーを差し込んで押し出すか、ペンチで引っ張って外しましょう。
半月状のパーツ(ピボット)のまわりなどをふき取り、新たにグリスを塗ります。先程までの手順と逆に組み立てます。
Eリングは硬いので、このようにペンチで挟み込んでかしめます。これで引っ掛かりは解消できます。
特定の方向にだけ反応しない場合は、マイクロスイッチ部品が消耗している可能性がありますので、その部品を交換しましょう。三和電子の場合、TP-MAという型番のアイテムになります。
写真右上の緑色のパーツです。取り付けには決まった角度があり、アケコンのメーカーによって向きが異なります。Obsidianの場合は5本の端子が本体内側を向くように取り付けましょう。
また余談ですが、レバーのメンテナンス後にありがちなトラブルとして、レバーボールの締まりが甘いことが多いです。裏蓋をはめる前に、レバーボールは取り外すときのようにマイナスドライバーを使ってしっかりと締めましょう。
レバーのメンテナンスは以上となります。
ボタンのメンテナンス
ボタンの症状は基本的に新品と交換で対応します。まずレバーと同様本体の裏蓋を開けます。多くのアケコンはボタンによって配線(ハーネス)の色が決まっていますので、不安な方はこの地点で配線の写真を撮っておくことをおすすめします。
それぞれの端子には保護用のシリコンゴムが掛かっていますので、配線側にずらします。
〇で囲った場所をペンチでつまみ、引き抜くように取り外します。この時、配線を直接引っ張ったり、ペンチで強く握り過ぎたりすると断線の危険がありますので注意です。
ボタンを止めている爪は割れやすいので、外したものの再利用を考えている場合は少しずつ挟み込むように力を加えて外します。ボタンを交換したら逆の手順を踏み、配線を取り付けましょう。
ボタンのメンテナンスは以上となります。
アケコンメンテナンスに便利なアイテムを紹介
最後にATTASA SHOPでおすすめの工具や、予備部品についての紹介です。
ペンチやプライマーは一般的なもので作業が行えますが、ATTASA SHOPのイチオシはエンジニア社のネジザウルスです。もともとは、回らなくなった大きなネジを外すための製品です。そのため先端部に窪みが形成されており、シャフトなどをつかむ・Eリングを占め込む時には大変便利です。
またボタンのメンテナンスで記載しましたが、誤って断線してしまった場合には予備のハーネスも販売しております。交換を重ねて端子が緩くなってしまった場合にもお使いいただけます。ぜひご利用ください。
基本的なレバーとボタンのメンテナンスについて説明させていただきました。
「アケコンの中身って思っていたよりシンプルだな」と感じた方も多いのではないでしょうか?アケコンが誕生したばかりの頃は、ボタンの端子がはんだ付けであったり、部品が独自のもので交換ができなかったりしましたが、最新のアケコンはメンテナンスがとても簡単になっています。メンテナンスのやり方さえ覚えてしまえば、アケコンはとても長持ちするアイテムなのです。
また今後、より高性能なアイテムや自分好みのセッティングにしたくなった場合にも、メンテナンスの知識は応用できます。メンテナンスについての質問は、お気軽にお問い合わせください。